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幸福論

椎名林檎

本当ほんとうのしあわせを
さがしたときに
あいあいされたいと
かんがえるようになりました
そしてあたしは
きみつよさも
かくしがちなよわさもんで
ときながれとそらいろ
なにのぞみはしないよう
素顔すがおいてわらきみ
エナジイをやす
だけなのです
本当ほんとうのしあわせは
うつらずに
案外あんがいそばにあって
気付きづかずにいたのですが
かじかむゆびもとめるものが
見慣みなれたその
だったとって
あたしはきみ
メロディーやその
哲学てつがく言葉ことばすべてを
まもためならすこくらい
する苦労くろう
いとわないのです

ときながれとそらいろ
なにのぞみはしないよう
素顔すがおいてわらきみ
そのままをあいしているゆえ
あたしはきみ
メロディーやその
哲学てつがく言葉ことばすべてを
まもとおします
きみ其処そこきていると
いう真実しんじつだけで
幸福こうふくなのです