歌っ子

山崎ハコ

歌うたを歌うたいながら歩あるいてきたね
胸むねの中なかでいつもいつも歌うたってる子こだった

かじかむ手てをこぶしにして走はしり抜ぬけた田舎道いなかみち
空そらに朝日光あさひひかるだけで嬉うれしかったね
あれは遠とおい美うつくしく遠とおい
時ときが変かえた奪うばったのかな
歌うたを歌うたいながら歩あるいてきたね
胸むねの中なかでいつもいつも歌うたってる子こだった

深ふかい霧きりの中なかに消きえた人ひとを探さがし続つづけたね
愛あいされてると思おもってた傷きずは消きえない
あれは遠とおい幻まぼろしか夢ゆめか
時ときが消けしたあなたもみんな
歌うたを歌うたいながら歩あるいてきたね
悲かなしい時ときもいつも歌うたってる子こだった

歌うたを歌うたいながら歩あるいてきたね
胸むねの中なかでいつもいつも歌うたってる子こだった
歌うたってる子こだった