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濁り江

山崎ハコ

おおきなかわ葉一枚はいちまいおんな一人乗ひとりのっている
ちいさなふねあんずるななみがからだにつた
のぞいてみればこんなにちかおおきなふねにはわかるまい
まずしきなみだおんななみだにごるこのかわ

なが日々ひびに どれほどおおくの かよわものいてきた
それを運命さだめとあきらめておろかな言葉ことばいてきた
わたしだけはっている こののこすのだ
このというおおきなかわきてわたりぬく

こいきずなみだあいも このうたのこすのだ
いのちというの はかないかわえてのこりゆけ
にごりゆくこのかわきてゆけわたりぬけ