見知らぬ町の古い居酒屋で
柳葉魚サカナに ひとりのんでます
扉あくたび ちょっと風が吹き
洗いざらした のれんめくります
死んだあいつが居たら演歌なんか
うなりそうな夜更けです
おひとりですかなんて おやじさんに
言われ泪ぐむ夜更けです
店に流れる 「リンゴ追分」が
旅につかれた心ほぐします
ひなびた店で いつも呑んでいた
あいつの気持わかる気がします
死んだあいつが居たら小皿なんか
たたきそうな夜更けです
おつよいですね なんて言われながら
無理に笑ってる夜更けです
リンゴの花びらが風にちったよな
月夜に月夜にそっとえゝゝゝ……
つがる娘はないたとさ
つらい別れをないたとさ
リンゴの花びらが
風に散ったよなぁ……
死んだあいつは どこで見てるのでしょう
ひとり旅する淋しさを
大丈夫ですか なんて言われながら
お酒ならべてる夜更けです
夜更けです…