髪かみのみだれに手てをやれば赤あかい蹴出けだしが風かぜに舞まう憎にくみや恋こいしや塩屋しおやの岬みさき投なげて届とどかぬ想おもいの糸いとが胸むねにからんで涙なみだをしぼるすてたお方かたの しあわせを祈いのる女おんなの性さがかなし辛つらや重おもたや わが恋こいながら沖おきの瀬せをゆく底曳そこびき網あみの舟ふねにのせたい この片かた情なさけ春はるは二重ふたえに巻まいた帯おび三重みえに巻まいても余あまる秋あき暗くらや涯はててなや塩屋しおやの岬みさき見みえぬ心こころを照てらしておくれひとりぼっちに しないでおくれ