沖おきをこぎゆく あの小舟こぶね誰だれが乗のるゆら遠とおくなる家いえに待まつのは親おやか子こかいとしい妻つまも待まっていよわしは磯辺いそべの波なみの上うえ待まつ人ひともない捨小舟すておぶね波間なみまによせる藻もをひろう憎にくみや玉藻たまもに身みは濡ぬれるる風かぜよ吹ふくなよ心こころが凍こおるよ