島より

中島みゆき

私わたしたちが暮くらした あの窓まどからは見みえなかった
星ほしの渦うずが騒さわいでいます
浴あびるような星ほしの中なか心細こころぼそさも
戻もどりたさも涙なみだも溶とけてゆきます
私わたしじゃなかっただけのことね
初はじめての国くにで習ならわしを覚おぼえ
たぶん忙いそがしく生いきてゆけるでしょう
島しまよりとだけしか明あかさぬ文ふみは
それゆえ明あかすでしょう心こころの綾あやを
島しまよりとだけしか明あかさぬ文ふみは
それゆえ明あかすでしょう心こころの綾あやを

なるようになるものね恋人こいびとたちは
遠回とおまわりしてもなお宿命しゅくめいならば
私わたしじゃなかっただけのことね
島しまでは誰だれでも子供こどもに戻もどれる
夢ゆめを持もつ前まえの子供こどもに戻もどれる
島しまよりとだけしか明あかさぬ文ふみは
それゆえ明あかすでしょう心こころの綾あやを

誰だれにでも優やさしいのは およしなさいと
伝つたえてよ南風みなみかぜはるかな人ひとへ
島しまよりとだけしか明あかさぬ文ふみは
それゆえ明あかすでしょう心こころの綾あやを
島しまよりとだけしか明あかさぬ文ふみは
それゆえ明あかすでしょう心こころの綾あやを