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TOKYO

椎名林檎

おなゆめ目覚めざめた。なぜいままたむかしおとこなどあらわれる。まゆでさえおぼえていない相手あいてじゃ
はるかおぼろつき曖昧模糊あいまいもこ。そんなかおごしていた、みょう場面ばめんゆめ十中八九晴じっちゅうはっくは模様もよう
清々すがすがしく。精々願望せいぜいがんぼううつしているようで、莫迦ばかしあわせそうにはしゃいでいたっけ。
ああしんどいわ。あたまのみえている。どこともだれともつなぎからないこのいのち。ああおもいわ。あました自我じがいそいでゆめ途中とちゅうもどして。きていたくない。

微熱びねつびたまぶた居直いなおると、うつつ世界せかい模様忌々もよういまいましく。かさたずさ用意周到よういしゅうとうだった。
だのにれている自分じぶん不幸ふこうなんだって。
まあしんどいよ。しとどにあし。どこへもだれへもつづいていないこのみち。まあひどいよ。
はずした過去かこけどもかえれどもめられてせてしまいたい。そう当座凌とうざしのぎに必死ひっし
人生じんせいかなしくてもうえられない。ねえせめてあいされてみたかった。ひとたびでも。

どんな最期さいごむかえてぬんだろう。わらずだれにもあまえず、ずっとひとりならながいわ。
たかれた未来みらいみじか切上きりあげてりたい。んで東京とうきょう