後悔

中島みゆき

真夜中まよなかのフライトに向むけて貴方あなたはターミナル行いく頃ころ
心こころをよぎる迷まよいもなく行いく先さきのことを考かんがえている
総すべては流ながれてゆく日々ひびの ゆきずりの眺ながめだった
私わたしの姿すがたも街まちの色いろも過すぎてゆく眺ながめだった
泣なくほどの子供こどもじゃなかった
ひきとめるほどの自信じしんもなかった
諦あきらめることに慣なれたふりして何なにを守まもろうとしてみたの
どうしてどうして素直すなおに
貴方あなたに心こころを伝つたえなかったか後悔こうかいしてる
貴方あなたは遠とおくで私わたしを忘わすれる
朝あさが来くるまでに1人ひとりに戻もどっている

日付ひづけ変更線へんこうせんを越こえて貴方あなたは戻もどって行いける
私わたしと出会であう前まえの日々ひびへ ためらいもなく戻もどって行いける
大切たいせつなことはいつだって いちばん後あとに気きがつく
心こころの扉とびらにかけた鍵かぎを捨すてられなくて気きがつく
なにごともないかのように淹いれるコーヒーが こぼれている
窓まどのサフランに これで良よかったと何回なんかい言いいきかせているの
どうしてどうして素直すなおに
貴方あなたに心こころを伝つたえなかったか後悔こうかいしてる
貴方あなたは遠とおくで私わたしを忘わすれる
朝あさが来くるまでに1人ひとりに戻もどる

いまさらいまさら貴方あなたに
届とどかぬ想おもいを鳥とりにあずけても波なみにあずけても
貴方あなたは遠とおくで私わたしを忘わすれる
朝あさが来くるまでに1人ひとりに戻もどっている