泣きたい夜に

中島みゆき

泣なきたい夜よるに一人ひとりでいるとなおさらに泣なけてくる
泣なきたい夜よるに一人ひとりはいけない誰だれかのそばにおいで
一人ひとりで泣なくとなんだか自分じぶんだけいけなく見みえすぎる
冗談じょうだんじゃないわ世よの中なか誰だれも皆みんな同おなじくらい悪わるい

まるで暗くらい流ながれを渡わたるひな魚さかなのように
泣なきたい夜よるに一人ひとりはいけない あたしのそばにおいで

涙なみだだけは大おおきなタオルでもあれば乾かわくだろう
けれど心こころの傷口きずぐちは自分じぶんでは縫ぬえない
子供こどもの頃ころに好すきだった歌うたの名前なまえを言いってごらん
腕うでの中なかできかせてあげよう心こころが眠ねむるまで

なんて暗くらい時代じだいを泳およぐひな魚さかなのように
泣なきたい夜よるに一人ひとりはいけない あたしのそばにおいで

なんて暗くらい時代じだいを泳およぐひな魚さかなのように
泣なきたい夜よるに一人ひとりはいけない あたしのそばにおいで

泣なきたい夜よるに一人ひとりはいけない あたしの胸むねにおいで