あの遠くはりめぐらせた妙な柵のそこかしこから
今日も銃声は鳴り響く夜明け前から
目を覚まされた鳥たちが燃え立つように舞い上がる
その音に驚かされて赤ん坊が泣く
たとえ どんな名前で呼ばれるときも
花は香り続けるだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも
花は香り続けるだろう
私の中の父の血と私の中の母の血と
どちらか選ばせるように柵は伸びてゆく
たとえ どんな名前で呼ばれるときも
花は香り続けるのだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも
花は香り続けるのだろう
あのひまわりに訊きにゆけ
どこにでも降り注ぎうるものはないかと
だれにでも降り注ぐ愛はないかと
たとえ どんな名前で呼ばれるときも
花は香り続けるのだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも
花は香り続けるのだろう
たとえ どんな名前で呼ばれるときも
花は香り続けるのだろう
たとえ どんな名前の人の庭でも
花は香り続けるのだろう