木曜の夜

中島みゆき

木曜もくようの夜よる11時半じはんまだ早はやすぎる何なにもないとあきらめるには
もしかしたらまだもしかしたらまだ あなたが私わたしを見みつけてくれるかもしれないから
少すこしだけ目立めだちそうな服ふくを着きている何回なんかいも振ふり返かえっては立たちどまっている
偶然ぐうぜんなんてそんなにうまく起おきないってことわかってるけど
こんなにこんなに人ひとはいるのに どこにもどこにもあなたはいない
こんなにこんなに人ひとはいるのに どこにもどこにもあなたはいない

次つぎの角かどまで次つぎの角かどまで歩あるくほど遠とおざかってるのかもしれない
でも早はやく歩あるいてしまう あなたの他ほかの誰だれかに誘さそいの声こえをかけられたくなんかないから
もしあなたの声こえだったらすぐにわかるよ どんなに人ひとと音楽おんがくが道みちにあふれても
どうしてるかな今いまごろあなた私わたしのことは思おもってないね
こんなにこんなに人ひとはいるのに どこにもどこにもあなたはいない
こんなにこんなに人ひとはいるのに どこにもどこにもあなたはいない

帰かえりたくない帰かえりたくない混こみあって歩あるきづらい街まちを歩あるいてる
帰かえりたくない帰かえりたくない みんな会あいたい人ひとに会あえてよかったね
こんなにこんなに人ひとはいるのに どこにもどこにもあなたはいない
こんなにこんなに人ひとはいるのに どこにもどこにもあなたはいない