恋人たちの神話

テレサ・テン

子供こどもたちがベットで夢ゆめの箱舟はこぶねに乗のるころ
時ときは悲かなしみだけを脱ぬぎすてて
明日あすに着換きがえるけど
もしも生うまれ変かわって ちがう人生じんせいがあるなら
青あおい空そらを自由じゆうに泳およいでる
鳥とりになってみるけど
愛あいされて傷きずついて
死しにたくなるほど泣なきぬれても
この世よに私わたしを授さずけてくれただけで
涙なみだを連つれ添そう そんな生いき方かたもある

硝子窓がらすまどに夜明よあけの やわらかな陽ひざしが差させば
時ときは小ちいさな未来みらい用意よういして
今日きょうに目覚めざめるけど
めぐり逢あって別わかれるそれが人ひとの運命うんめいならば
花はなのように綺麗きれいなときだけを
過去かこに残のこす それだけ
愛あいされて傷きずついて
死しにたくなるほど泣なきぬれても
心こころと身体からだは切きり離はなせないけれど
昨日きのうを見捨みすてる そんな生いき方かたもある

この世よに私わたしを授さずけてくれただけで
涙なみだを連つれ添そう そんな生いき方かたもある