笛ふえにうかれて逆立さかだちすれば山やまが見みえます ふるさとのわたしゃ孤児みなしご街道かいどうぐらしながれながれの越後獅子えちごじし今日きょうも今日きょうとて親方おやかたさんに芸げいがまずいと叱しかられて撥ばちでぶたれて空そらを見みあげれば泣ないているよな昼ひるの月つきうつや太鼓たいこの音おとさえ悲かなし雁かりが啼なく啼なく城下町じょうかまち暮くれて恋こいしい宿屋やどやの灯あかり遠とおく眺ながめて ひと踊おどりところ変かわれど変かわらぬものは人ひとの情じょうの袖そで時雨しぐれぬれて涙なみだで おさらばさらば花はなに消きえゆく旅たびの獅子しし