月つきに一声ひとこえちょいとほととぎす声こえはすれども姿すがたは見みえぬおれも忍しのびの夜働よばたらきどっかり抱かかえた千両箱せんりょうばここいつァ宵よいから縁起えんぎがいいわいヘンおいらは黒くろ頭巾ずきん花はなのお江戸えどの闇太郎やみたろう風かぜに稲穂いなほは あたまをさげる人ひとは小判こばんに あたまをさげるえばる大名だいみょうを おどかしてさらう小判こばんは涙金なみだきんおつな商売しょうばいやめられましょうかヘンおいらは黒くろ頭巾ずきん花はなのお江戸えどの闇太郎やみたろう江戸えどの盛さかり場ば猿若さるわか町まちにひいき役者やくしゃの幟のぼりがあがるあだな笑えくぼに雪ゆきの肌はだ女おんな泣なかせの雪之丞ゆきのじょうこいつァ今夜こんやも行いかざぁなるめえなヘンおいらは黒くろ頭巾ずきん花はなの お江戸えどの闇太郎やみたろう