00:00:34
(真城最高)ふ…。 あっ。
00:00:40
心の声
僕が勇気を出し 振り向いてみると
偶然に亜豆も振り向いた。→
00:00:47
0.1秒が 10秒くらいに感じ
我に返って 焦って前を向く。→
00:00:54
だが 2~3秒後に
また振り向いてみる。→
00:01:02
遠くで 亜豆も また振り向いた。
00:01:11
心の声
僕と亜豆は 周波数が
ぴったり合ったようだ。
00:01:16
♪♪~
(オープニングテーマ)
00:01:34
♪♪~
00:02:27
♪♪~
00:02:43
(高木秋人)周波数?
00:02:46
亜豆が 10回 振り向いて
2回 当たっただけかもじゃん。
00:02:50
な事ねえよ。
すげえな そういう感覚。
00:02:53
おれには分かんない。
バカにしてんな。
00:02:56
いや うらやましい。
00:02:58
亜豆を最初に見たのは
小6の時なんだけど。
00:03:03
おれたち 明小で
亜豆 明二小じゃん。
00:03:08
学校対抗の水泳大会の時→
00:03:11
向かいで応援してた亜豆と
ずっと見つめ合ってた。
00:03:14
あの時は お互い恥ずかしいとか
思わなかったんだよな。
00:03:20
で 中学の入学式の時
また目が合った。
00:03:30
あの時は 距離も近かったし
2人とも すぐ顔をそむけた。
00:03:36
なんだよ。 小学生の時から
意識し合ってたっつ~か→
00:03:40
好き合ってたんじゃん。
00:03:42
あくまでも 今 思うとなんだって。
いくら 周波数 合っても→
00:03:46
メアド 交換しないと
連絡もできねえぞ。
00:03:49
メアドは卒業までに
交換できればいいよ。
00:03:52
今は マンガ。
あっそ。
00:03:55
とりあえず 5ページ。
はや。
00:03:57
サイコーの思い出話の間も
描いてたからな。
00:04:02
「ふたつの地球」。
00:04:06
「我々の住む地球は
真実の地球の複製でしかない。→
00:04:11
我々人間も 真実の地球に住む
人間の クローンでしかない。→
00:04:16
そう 僕達は「真実の人間」に
作られた実験材料であり→
00:04:21
同じ環境に 自分達の分身を放置し
観察する事で→
00:04:26
よりよい世界を作るのに
役立てられている。→
00:04:29
だから 真実の地球には
戦争も温暖化もない。→
00:04:33
僕達がもたらした研究成果だ」。
00:04:39
シュージン…。
どうだった? やっぱ 駄目だよな。
00:04:43
いきなり ネームなんて ハードル高すぎ。
00:04:45
コマとか どう割ればいいか
分かんねえし 絵も…。
00:04:48
この話 何かパクってる?
00:04:51
パクってないけど
何か かぶってても 許せよな。
00:04:54
こんな話 誰にでも思いつくし。
誰にでもは思いつかねえよ。
00:04:59
少なくとも
おれには思いつかない。
えっ。
00:05:01
つ~か おれ
この設定 惹き込まれる。
00:05:04
うそっ。
マジ。
00:05:06
でも その後 真実の地球のやつと
こっちの人間が戦うだけだぞ。
00:05:10
それが見えるから
惹かれるんだって。
00:05:13
思いっきり バトルできるじゃん!
00:05:15
それとも これより面白いネタ
あんのか?
00:05:18
う~ん 一応 スポ根も考えてた。
00:05:22
おおっ。
00:05:24
「グラサンピッチャー」つ~の。
00:05:26
プロ目指してる
豪速球投手の小学生が→
00:05:29
ピッチャーライナー受けて 失明する。
00:05:32
10年後 グラサンかけたピッチャーが
プロのマウンドに突然 現れ→
00:05:37
高低内外角 あらゆるコースを
180kmで投げ分けて→
00:05:42
完全試合を成し遂げる。
00:05:45
実は 例の少年が
夢をあきらめずに→
00:05:48
父親と 10年
影の特訓をしてたって話。
00:05:54
目 見えないのバレて
野球協会と もめながらも→
00:05:58
その球を打ちたいライバルたちと
戦っていく。
00:06:01
やっぱり シュージン 才能あるよ。
00:06:04
その設定で そこまで
話 作り込めない。
00:06:06
まじ? マジで
才能あるって思ってる?!
00:06:09
ああ。 普通 バカげて…。
00:06:11
よかった…。
本当は毎日毎日 必死に考えて→
00:06:15
でも おれ 自信過剰なところ
あるだろ。
00:06:18
サイコーが認めてくれると
本当に自信になるよ。
00:06:22
よかった。 本当に よかった。
00:06:25
おれも頑張る。 シュージンの話に
負けないような絵を描く。
00:06:31
で どっちの話にする?
「ふたつの地球」だな。
00:06:35
グラサンは連載向きな気がする。
分かった。
00:06:39
理想のページ数ってあるか?
00:06:41
新人賞は 31か 45ページって
決まりらしいんだけど。
00:06:45
う~ん。 それで いいんじゃね?
00:06:47
とりあえず 枚数 気にしないで
バンバン描いて。
おう!
00:06:56
あ…。
00:07:00
ん。
はやっ!
00:07:02
序盤は もう頭ん中にあるからな。
00:07:06
まあ ペースが早くても
面白くなきゃ しょうがないけど。
00:07:15
サイコー?
ん? ああ オッケー。
00:07:19
おお!
(見吉香耶)いた!
00:07:21
高木 ちょっと こ~い。
00:07:24
呼んでっぞ。
行きたくねえし。
00:07:27
あっ こっち来た。
げっ マジ。
00:07:29
人が呼んでんのに無視して…。
00:07:31
なんか すっごく
怒ってるみたいだけど…。
00:07:34
無視 無視。
00:07:36
高木 話 あんだけど。
00:07:39
何? いいから いろよ。
00:07:45
ミホに 「なんで 高木君が
私の将来の夢 知ってるの?→
00:07:49
話したでしょ」って
怒られたんだけど。
00:07:52
別に いいじゃん。
本人に確かめただけだし。
00:07:56
あ こいつには言っちゃった。
友達の真城君。
どうも…。
00:08:02
ミホは恥ずかしがり屋なんだから
誰にも言うなって言ったじゃん。
00:08:06
分かった。 もう 誰にも言わない。
00:08:09
でも そんな恥ずかしがり屋で→
00:08:11
声優になれるんですか?
って言っとけ。
00:08:14
…んな事 言えるか。
00:08:16
とにかく これ以上 広めねえから
安心しろ。
00:08:19
で ミホにフラれたわけ?
はぁ? ふざけんな。
00:08:23
だって ミホと話したんでしょ。
00:08:25
だから 本当かどうか
聞いただけだって。
00:08:29
それに亜豆 好きなやつ いるだろ。
00:08:32
うそ。 誰?!
00:08:35
知らねえけど 普通いるだろ
中3女子なんだし。
00:08:39
そうだよね~。 でも ミホって
そういうの言わないからな~。
00:08:43
つ~か それじゃ なんで あたしに
ミホの探り 入れてきたのよ。
00:08:49
えっと それは…。
見吉と話したかったから。
00:08:56
か… 考えさせてね。
00:08:59
え ちょっと 見吉… さん。
00:09:03
あ~あ やっちったな。
え?
00:09:06
冗談なんて言ったら
泣かれるか キレられるぞ。
00:09:09
あいつだろ 空手だか合気道で
全国大会出場って。
00:09:15
それに あいつ もともとシュージンの事
好きなんじゃね?
うそ。
00:09:19
親友の秘密を教えるって
かなり好意的じゃん。
00:09:23
それに「考えさせて」なんて
嫌いなら 絶対 言わね。
00:09:26
そう言われれば…。
って このままじゃ まずいだろ。
00:09:30
悪くねえじゃん 見吉。
え? 悪くない? なんで?
00:09:36
亜豆の親友は
いいやつに決まってる。
00:09:40
(亜豆美保)何? カヤ。 話って。
高木に告られた。
00:09:44
うそ。
ほんと。
00:09:46
どう思う? 高木。
00:09:48
う~ん 勉強もできるし
背も高いし。
00:09:51
そうなのよね~。
あたしと釣り合わないじゃん。
00:09:54
そんな事ないよ。
カヤ かわいいもん。
00:09:58
高木君も
そう思ったんじゃないかな。
00:10:01
あたし かわいい?
うん。
00:10:06
カヤ?
あ…。
00:10:08
でも 高木 絶対
岩瀬と できてるって→
00:10:11
うちのクラスじゃ
うわさだったのにな。
00:10:14
でも 岩瀬さんて
男の子は とっつきにくいかも。
00:10:18
男はバカね~ フフンって感じ?
そこまでは…。
00:10:22
あ そうだ。
ん?
00:10:24
ミホの好きな人って誰?
えっ! いない…。
00:10:29
言うと思った!
00:10:32
ちょっと カヤ やめて。
みんなが見てる。
00:10:34
じゃあ 早く
言っちゃいなさいよ~。
00:10:36
い… いないもん。
はあ…。
00:10:40
ミホも きっと岩瀬みたく
お高く見られてるよ。
え?
00:10:44
男子と話してるの見た事ないし
これって お高いじゃん。
00:10:50
カヤ。
はい?
00:10:52
男の子とは恥ずかしくて
話せないだけ。
00:10:54
本当は カヤ以上に男の子大好き。
まっ。
00:10:57
男の兄弟とか
いないからなのかな。
00:11:00
すごく意識しちゃって→
00:11:02
すぐ真っ赤になっちゃうから
話せないの。 分かりますか?
00:11:07
ハハハ。 ミホって たまに先生口調に
なって 面白いよね。
もう。
00:11:11
でも 真剣に話してくれてる。
うそじゃないって分かる。
00:11:15
カヤ…。
(チャイム)
00:11:19
高木君に返事する時は
一人で言ってね。
え?
00:11:22
一緒にとか嫌だよ。
え~!
00:11:26
(見吉)高木たち帰って来ちゃった。
ど ど ど どうしよう…。
00:11:29
頑張ってね。
えっ ミホ!
00:11:33
はあ~。
00:11:39
周波数 合ったかも…。
00:11:41
今のは 見吉が
振り向いただけじゃん。
00:11:45
「だけじゃん」って…。
00:11:54
終わった~!
終わんね~。
00:11:58
何回 描いても 気に入らね。
もうすぐ夏休みだってのに。
00:12:02
無理すんなよ。 おれも まだ
原稿にするって レベルじゃないから。
00:12:08
最悪 おれが前半 描いてる間に
後半 できればいいよ。
00:12:12
ん~ 分かった。
00:12:15
6番? すげえじゃん。
クラスで6番だって。
00:12:19
シュージンの言ったとおり試験問題って
パターンなんだな。
そ。
00:12:23
あとは…。
あ…。
00:12:34
心の声
しゅ… 周波数…。
00:12:38
(真城加代子)お父さんは
いいって言ったけど→
00:12:40
休み中 ずっと
仕事場に こもるなんて→
00:12:43
お母さんは反対ですからね。
…あっ。
00:12:53
ふ~。 たまには帰ってきなさいよ。
00:12:56
うん。
00:12:59
オース サイコー。 おれも泊めてくれ。
00:13:02
いいけど お前んとこ
親 うるさく言わねえの?
00:13:05
別に平気。
ふ~ん。
00:13:08
ほれ。
え?!
00:13:10
それ飲んで頑張ってたんだろ
川口たろう先生。
00:13:14
おれたちも頑張ろうっつう事で。
00:13:16
シュージンって結構 形から入るよな。
00:13:19
んじゃ 改めて
夏休み中に原稿完成させるぞ!
00:13:24
おお~っ!
00:13:28
(2人)にが…。
00:13:30
すっげ~!
おれのネームが マンガになってる!
00:13:33
これも ネームだって。
コマ割りとか構図 直してる。
00:13:37
へえ~。 これに ペン入れても
すげえマンガになりそう。
00:13:41
完成には まだ遠い。
これから下描きだし→
00:13:45
ペン入れだって
すぐには やらない。
00:13:47
えっ そうなの?
まだ その段階じゃない。
00:13:50
ギリギリまで 絵のレベルを上げてから
ペン入れする。
00:13:54
サイコー。 マンガに限界はねえっつっても
理想 高すぎなんじゃね?
00:13:59
おれから見たら十分。
いや まだ全然だ。
00:14:03
分かった。 サイコーの やりたいように
やってくれ。
00:14:07
おれも 自分の納得いくまで
ネームをやる。
00:14:10
うん。 ネームに おれは口出さない。
絵に シュージンは口出さない。
00:14:15
だな。
ああ。
00:14:17
♪♪~
00:14:31
サイコー 寝た?
そんなにすぐ寝られるかよ。
00:14:35
だよなあ…。
頭使いすぎて 逆に寝らんね。
00:14:39
マンガの続き 読もっと。
お前 器用だな…。
00:14:44
最近 面白いマンガあった?
う~ん やっぱ 「DRAGON BALL」。
00:14:51
それって もともと
好きなマンガじゃん。
00:14:53
そりゃ 不動っていうか
原点っていうか。
00:14:56
あっ 昔 ドラゴンボールごっことか
やんなかった?
やった やった!
00:15:01
(2人)フュージョン。 はっ!
00:15:05
シュージン 「ジョン」のタイミング 遅くね?
00:15:08
おれの「ジョン」は完ぺきだ。
サイコーの「ジョン」が はやすぎる。
00:15:13
いいや 「ジョン」は もっと
「ジョン!」って感じで言わないと→
00:15:16
本物の「ジョン」じゃない!
00:15:18
おれの「ジャン」が
ニセモノだっていうのか?!
00:15:20
「ジャン」って誰…。
00:15:22
(セミの鳴き声)
え~い 待て~!
00:15:31
おっ サイコーも起きたか。
00:15:35
シュージン。
ん?
00:15:37
ペン 入れてみる。
00:15:40
夏休みも1か月切った。
00:15:43
描き味には まだ納得してね~けど
さすがに取りかからないと。
00:15:48
ネーム急げなんて言ってない。
00:15:51
シュージンは シュージンの納得のいくまで
粘ってくれ。
ああ。
00:15:55
♪♪~
00:16:24
よし 中盤まで終わった。
00:16:27
お疲れ。 少し休めよ。
00:16:29
ああ。 サイコーもな。
うん。
00:16:36
食べるか?
00:16:38
う~ん… 後で。
00:16:45
あ…。
00:16:53
わあっ やっちゃった!
これ ホワイトで修正 利くかなあ。
00:16:58
ちょっと出ないか?
00:17:02
ああ。
00:17:04
(女性DJ)
「今週のヒットチャート1位は→
00:17:06
7月に リリースしたアルバムが
早くも ミリオン達成。 コージーで…」。
00:17:10
んぐっ!
00:17:14
大丈夫か?
00:17:16
死ぬかと思った。
00:17:18
(女の子A)
ねえねえ この曲いいよね。
00:17:21
(女の子B)コージーでしょ?
新しいアルバムに入ってた曲。
00:17:24
夏のツアー 行きたいよね~。
00:17:26
(女の子B)
うん 夏休みは楽しまないと。
00:17:29
シュージン?
00:17:33
さっ 戻って作業しようぜ。
ああ。
00:17:38
ふあ~。
00:17:42
おれ そろそろ寝るわ。
00:17:46
サイコー?
00:17:57
もう ここまで できてんのか。
00:18:06
♪♪~
00:18:31
待たせたな。
00:18:33
コンビニ行ってくる。
少し休めよ。
00:18:36
買い出しなら おれが行くから。
00:18:38
ここから先 原稿には おれ
手 出せないから。
00:18:43
うん。
うん。
00:18:46
つか 亜豆に連絡すれば
来てくれるかもなあ。
00:18:51
「ご主人様 お食事の用意が
できました~」なんてな。
00:18:55
ウガ~!
00:18:57
冗談 冗談。
サイコーが元気になるかと思ってさ。
00:19:01
うそつけ!
00:19:03
亜豆が そんなキャラじゃないのは
分かってるって。
00:19:14
すみません
本 取りたいんですけど。
00:19:20
あの すみません。
00:19:25
(ドアの開閉音)
00:19:27
遅かったな。
近くのコンビニじゃなかったのか?
00:19:32
なんだ いつものとこじゃん。
00:19:35
あっ 「ジャック」
買ってきてくれたんだ。 サンキュー。
00:19:43
新妻エイジ…。
00:19:51
エイジ すげ~よ。
絵だけじゃない。 話も面白い。
00:19:55
今のおれたちじゃ…。
00:19:57
負けてるとしたら 絵だ!
00:20:03
あっ…。
00:20:05
サ… サイコー!
00:20:07
負けたくない。
おれも そう思うけど→
00:20:10
話まで面白いなんて。
00:20:12
絶対 負けない!
00:20:16
何か手伝える事ないか?
00:20:18
シュージンは一人で
ネームを完成させたんだ。
00:20:21
おれも一人で やり遂げたい。
00:20:25
♪♪~
00:21:14
よ~し ホワイト終わり!
00:21:18
後は…。
サイコー おれも…。
00:21:22
ネームに おれは口出さない。
絵に シュージンは口出さない。
00:21:27
いや 完成する瞬間を
一緒に迎えたいっていうか…。
00:21:34
トーン はれんのか?
おお!
00:21:37
これ 地球軍のズボン全部!
00:21:40
おお サンキュー!
00:21:43
このまま完成まで ノンストップな!
おう!
00:21:49
♪♪~
00:22:02
絵はいいけど おれの話がな…。
00:22:05
話はいいけど おれの絵がな…。
00:22:12
サイコー。
うん?
00:22:19
何だよ。 こういうのって
恥ずかしくねえ?
00:22:27
ありがとな。 サイコー。
00:22:37
よし 早速 電話しようぜ。
00:22:40
番号 多分 電話帳に入ってる。
00:22:42
これでかけたら川口たろうが
化けて出たってなんね?
00:22:45
誰も覚えてねえって。
嫌なら携帯でしろよ。
00:22:51
何て言うの?
00:22:53
「原稿の持ち込み
したいんですけど」とかだろ?
00:22:57
かけるぞ。
早くしろって。
00:23:01
[TEL](呼び出し音)
00:23:04
[TEL](服部 哲)はい
「少年ジャック」編集部です。
00:23:06
♪♪~
00:23:17
♪♪~
(エンディングテーマ)
00:23:28
♪♪~
00:25:34
[TEL](呼び出し音)
00:25:39
(服部 哲)
はい 「少年ジャック」編集部です。→
00:25:44
初めての持ち込みですか?
そうですか。→
00:25:50
じゃあ 名前と電話番号を。
真城最高さん。