00:00:06
(カール)“おお コリンナ”
00:00:08
“あなたの お手紙が かくも
短いのは なぜでしょうか?”
00:00:13
“占星術を行うエウポリスのよう…
よう… ように…”
00:00:19
“私の心は あなたに かき乱され”
00:00:23
“かくも イダスの黄金は色あせ”
00:00:26
“かのガロニウスの匠(たくみ)が…”
00:00:28
(シューバルト)ああ もういい
00:00:30
(カール)えっ あ…
00:00:31
(シューバルト)これ以上
読む必要はないと言ったんだ
00:00:35
あの… 何か?
00:00:37
君は もういい
とっとと帰りたまえ
00:00:42
(カール)も… 申し訳ありません
何か気に障るようなことが…
00:00:46
(シューバルト)ラテン語の発音も
ろくにできん者に
00:00:49
私に本を読んで聞かせる資格はない
00:00:52
(カール)す… すいません
これから気を付けます
00:00:56
帰れと言っとるんだ
00:01:09
♪~
00:02:24
~♪
00:02:35
(鐘の音)
00:02:50
(ロッテ)お屋敷じゃ 随分
こっぴどく やられたわね
00:02:54
(ロッテ)元気 出しなさい
経営学科のカール・カールノイマン君
00:02:58
(カール)えっ…
00:03:01
(カール)
何で僕のことを? 君は?
00:03:03
私は文化人類学科の
ロッテ・ロッテフランク
00:03:07
君も あの人に本を読んで聞かせる
アルバイトをしているの?
00:03:11
ううん 私は身の回りの世話
00:03:15
あの人が本を読ませるのは
男子学生に決まってるの
00:03:19
あなたは火曜日担当
他の曜日は他の学生が
00:03:23
目のほとんど見えない彼に
本を読んで聞かせてる
00:03:27
ねえ あなた どう思う?
00:03:29
あの謎の大富豪
ハンス・ハンスゲオルグ・ハンスゲオルグシューバルト
00:03:33
さ… さあ…
00:03:35
ただ 僕は彼のアルバイトの給料が
いいから飛びついただけで…
00:03:40
(ロッテ)あの人の
いろんなうわさ 聞いたことある?
00:03:43
屋敷の電話1本で
00:03:45
ドイツ中の企業の株を
好きなように操作してるって話
00:03:50
人呼んで“バイエルンの
ハワード・ハワードヒューズ”
00:03:54
家族もない 親しく付き合っている
人間もいない
00:03:57
なのに彼の財産は膨らむ一方
00:04:00
そのお金
どうするつもりだと思う?
00:04:02
さあ…
00:04:03
でも もっと大きな謎があるのよ
00:04:06
彼 またの名を
“バイエルンの吸血鬼”
00:04:09
(カール)吸血鬼?
00:04:10
{\an8}(鐘の音)
00:04:11
{\an8}(鐘の音)
00:04:11
(ロッテ)午前2時の鐘が鳴ると
00:04:13
{\an8}(鐘の音)
00:04:13
{\an8}(鐘の音)
00:04:13
執事を連れて
棺おけみたいな車に乗って
00:04:16
夜中の街に出かけていくのよ
00:04:19
その光景たるや
まるでゴシックホラーよ
00:04:23
ただの散歩だろ?
00:04:25
ただの散歩かどうかは
もうすぐ突き止めるわ
00:04:28
突き止めるって 君…
00:04:30
研究論文のためよ
00:04:34
「バイエルン州の中世財界人と
現代財界人の精神活動」
00:04:39
彼は きっと いいサンプルになる
00:04:41
(カール)その調子で
僕のことも調べたんだな
00:04:44
(ロッテ)フフッ
名前と学部を調べただけよ
00:04:47
まっ シューバルトに
どなられたからって
00:04:50
気にしないことね
00:04:51
他の学生も みんな
ひどいこと言われてるんだから
00:04:54
(カール)ああ どなられたり
ぶたれたりは慣れてるから
00:04:59
慣れてる?
00:05:00
(カール)あ… ああ
00:05:02
僕は里親のもとを転々として
いろいろあったからね
00:05:06
(ロッテ)そういえば あなた
00:05:07
地元のギムナジウム出身じゃ
ないものね
00:05:10
やっぱり僕のこと
調べてるじゃないか
00:05:13
そうなんだ… あなた
ご両親 いないんだ
00:05:18
(カール)
実は 母に会えると思って
00:05:21
このミュンヘンの大学に
入学したんだ
00:05:23
(ロッテ)お母さん
ミュンヘンにいるんだ?
00:05:25
それで? 会えたの?
00:05:28
(カール)いや もういいんだ
00:05:30
(ロッテ)えっ どうして?
00:05:32
せっかく近くにいるのに
00:05:35
お母さんの名前
分かっているんでしょ?
00:05:37
ああ
00:05:38
(ロッテ)何て名前?
00:05:41
もういいって言ってるだろ
00:05:42
(ロッテ)教えてよ
00:05:44
私が興味持ったら
どっちみち分かっちゃうんだから
00:05:48
マルゴット
00:05:51
マルゴット・マルゴットランガー
00:05:52
(ロッテ)そこまで
分かっているんなら
00:05:54
すぐ調べがつくわよ 会いなさいよ
00:05:57
お母さん 喜ぶわ
00:05:58
だから もういいんだってば
00:06:05
(ロッテ)マルゴット・マルゴットランガー
マルゴット・マルゴットランガー
00:06:11
ウソッ
00:06:14
(カール)
“くり毛の馬のごとき疾走は”
00:06:17
“血潮に雷鳴を集め”
00:06:20
“高波を起こし…”
00:06:22
(シューバルト)聞くに堪えんよ
(カール)はっ?
00:06:24
私は美しいものしか愛さない
00:06:28
聞くに堪えんよ
00:06:30
(カール)あ…
00:06:34
(ロッテ)何で あんな大変なこと
言ってくれなかったのよ
00:06:39
あなたのお母さんのこと
調べたわ
00:06:41
あ…
00:06:43
(ロッテ)何て言っていいか…
00:06:45
(カール)
だから もういいって言っただろ?
00:06:48
(ロッテ)カール 何か私に
力になれることない?
00:06:52
(カール)
ありがとう 大丈夫だよ
00:06:55
(ロッテ)カール…
00:06:59
ロッテ
00:07:01
君 あのハンス・ハンスシューバルトの
夜の行動
00:07:05
突き止めるって言ってたね
(ロッテ)え?
00:07:08
僕も一緒に行っていいかな
00:07:10
ええ もちろん!
00:07:12
そうしてもらえると
私も心強いし
00:07:18
(学生)本当だってば!
00:07:20
超自然現象研究会
始まって以来のスクープだ
00:07:24
(学生)どうだかねえ…
00:07:25
(学生)とにかくだ
この詩は この大学の創設者の1人
00:07:30
グロビウス司教が1502年に
書き記した詩に間違いないんだ
00:07:35
肝心なのは この1節だ
00:07:38
“最後から2番目の多い年
木曜日の青年が この地を訪れ”
00:07:43
“書物は炎に包まれ”
00:07:45
“この世の全ては
悲しみに包まれるだろう”
00:07:49
(学生)だから何だってんだよ
00:07:51
分かんないかなあ!
00:07:54
ほら この
“最後から2番目に多い年”
00:07:57
これは1996年
つまり今年のことだよ
00:08:01
(学生)何で?
(学生)んっ…
00:08:03
多い年ってのは うるう年のことさ
00:08:06
今世紀中 うるう年は今年と
あとは2000年だ
00:08:09
はあ…
00:08:10
“この地を訪れ
書物は炎に包まれ”
00:08:14
この地の書物ってことは
この大学が燃えるってことだよ
00:08:18
(学生)じゃあ
“木曜日の青年”ってのは何だよ
00:08:22
木曜日 “ドナースターク”の
語源は“ドナー”
00:08:26
つまり いかずち 雷神のことだ!
00:08:30
(学生)ハハハハ…
(学生)すごい こじつけ
00:08:32
笑ってる場合じゃないぞ!
00:08:34
これは今度の会報の目玉だ!
00:08:36
(学生)
別に載せても構わないけどさ
00:08:38
こんなの 誰が信じるかよ
00:08:40
(学生)この大学に
破壊神がやってくるなんて
00:08:44
(女性と男性の笑い声)
00:08:55
(ロッテ)
何が“バイエルンの吸血鬼”よ
00:08:58
謎の徘徊(はいかい)を追ってみれば
これが真相ってこと?
00:09:02
幻滅もいいとこ
00:09:03
シッ 出てきた
00:09:10
(ロッテ)はーあ バカバカしい
私 帰ろ
00:09:13
(カール)ああ 気を付けてな
00:09:15
えっ?
00:09:16
(カール)
僕 ちょっと行ってみるよ
00:09:18
行くって どこへ?
00:09:28
(ロッテ)
ねえ ちょっと やめようよ!
00:09:31
(カール)うん
女の子の来るところじゃない
00:09:34
君は帰りたまえ
00:09:36
“私は美しいものしか愛さない”
00:09:40
えっ?
00:09:42
(カール)僕は知りたいんだ
00:09:44
あの男が どんなに最低な男かね
00:09:52
(女性)開いてるわよ
00:10:00
女の子が目的なら
ここは見当違いだよ
00:10:04
私は とっくに
引退しちまったんだから
00:10:07
あなたは?
00:10:11
人んとこ来たら
自分が先に名乗るもんだよ
00:10:19
私は マルゴット・マルゴットランガー
00:10:21
ハッ
00:10:22
(ロッテ)えっ
00:10:24
見たとこ 学生みたいだけど…
00:10:26
(カール)えっ ええ…
00:10:29
ハンス・ハンスシューバルト氏のところで
アルバイトをしています
00:10:32
(マルゴット)で 私に何の用?
00:10:35
(カール)彼が…
00:10:36
ハンス・ハンスシューバルト氏が
なぜ ここに来るのか…
00:10:41
(マルゴット)お楽しみに来てる
00:10:43
…と言いたいとこだけど
00:10:46
もう あっちのほうは
使い物にならないみたいだね
00:10:50
フッフッ…
00:10:52
金を渡しに来るのさ
00:10:54
(2人)えっ?
00:10:55
当然さ
00:10:57
私が あの男の前に
名乗り出た時
00:11:00
あの男は涙を流して わびたんだ
00:11:03
私に子供 産ませといて
ゴミみたいに捨てたんだからね
00:11:08
カール あなた… まさか
ハンス・ハンスシューバルトの子供?
00:11:13
(ロッテ)あっ でも…
(カール)ウソだ
00:11:15
あなたは… あなたは
マルゴット・マルゴットランガーじゃない
00:11:20
そうよ 1年前の新聞に出てたわ
“元娼婦(しょうふ)…” あっ
00:11:26
“元娼婦
マルゴット・マルゴットランガー 殺される”
00:11:28
“犯人は いまだ不明”
00:11:30
彼のお母さんは
もう死んでいるのよ!
00:11:33
あなたは それに乗じて 母に…
00:11:36
マルゴット・マルゴットランガーに
なりすまして⸺
00:11:38
ハンス・ハンスシューバルトから
大金を巻き上げているんだ!
00:11:40
(偽マルゴット)
フフフフ アハハハハ…
00:11:43
(2人)あ…
00:11:45
フフフフッ
彼も知ってるのよ
00:11:48
私が本物でないことを知ってて
金を払ってるんだよ
00:11:53
もう 金を払うべき
本物のマルゴットは
00:11:56
この世にいないと分かっていてね
00:11:58
それが彼の贖罪(しょくざい)の仕方なのよ
00:12:01
金 金 金…
00:12:04
金だけで生きてきた あの男には
こんな方法しかないのよ
00:12:08
うっ… くっ…
00:12:12
偉そうなこと言ってるけど
人間 大差ないわ
00:12:17
老い先短い 老いぼれの前に
息子だと名乗り出て
00:12:21
あの ばく大な財産を
ものにするって手もあるわけだし
00:12:25
何が言いたいの?
00:12:27
私を
ウソつき呼ばわりしてるけど
00:12:30
あんただって どうだか
分かったもんじゃないってことよ
00:12:35
もう1人 いるんだよ
00:12:38
あの男の息子を名乗る青年がね
00:12:41
(2人)えっ?
00:12:42
あんたと おんなじように
00:12:43
ここに やってきて
おんなじような話をしてったよ
00:12:47
そんな… まさか…
00:12:50
フフフフ…
00:12:52
ウソよ そいつが
ウソをついてるんだわ
00:12:57
どっちがウソつきかなんて
分からないよ
00:13:00
私には両方
偽者に見えるけどね
00:13:04
何者なの? そいつは
00:13:05
おんなじよ あんた方⸺
00:13:08
曜日ごと 交代でシューバルトに
本を読んで聞かせてるんだろ?
00:13:13
その子も その1人だよ
00:13:15
そう 確か…
00:13:18
{\an8}“木曜日の青年”だよ
00:13:24
(ロッテ)何で あなたが
本物だって言ってやらないのよ
00:13:28
僕は… 僕は いくつもの
里親のもとを転々としてきた
00:13:33
そりゃ いろんな目にも遭った
00:13:37
でも 今の里親は
本当に僕に よくしてくれたんだ
00:13:41
いくら感謝しても
しきれないくらいだ
00:13:44
だからこそ僕は
実の親に会ってみようと思ったんだ
00:13:49
本当の父が どんなに最低な男か
知ることで
00:13:53
今の里親を
心から愛せると思ったんだ
00:13:57
ただ それだけだったんだ
00:14:02
(足音)
00:14:04
(カール)君 その木曜日の
青年って見たことあるのか?
00:14:08
私 木曜日は お休みだから…
00:14:11
あっ でも 一度
忘れ物を取りに行った時に…
00:14:15
見かけたことあるのかい?
どんな男だった?
00:14:18
どんなって…
00:14:20
金髪の とっても
きれいな顔だちの…
00:14:32
(カール)誰なんだ
木曜日の青年とは…
00:14:37
この大学に
僕になりすました男がいる
00:14:42
(列車の警笛)
00:14:44
(マルゴット)いい? カール
母さんの言うこと よく聞いて
00:14:47
(マルゴット)このお金 持って
5番線の列車に乗るの
00:14:50
8つ目の駅で降りれば そこに
マルタっていうおばさんがいるわ
00:14:55
(カール)母さんは?
00:14:57
母さんは一緒に行けないって
言ったでしょ
00:15:00
警察に追われてるの?
00:15:02
あ…
00:15:04
(カール)僕も一緒にいるよ
(マルゴット)ダメ!
00:15:06
母さんと一緒にいると
ここの施設に入れられる
00:15:09
ここにいれば あなたは
娼婦の子って言われ続ける
00:15:12
あ…
00:15:14
さあ 早く
00:15:16
(カール)父さんは?
(マルゴット)え?
00:15:18
僕の父さん ハンス・ハンスゲオルグ・ハンスゲオルグ
シューバルトって人なんでしょ?
00:15:23
誰に聞いたの?
00:15:25
向かいのベラおばちゃんが言ってた
大金持ちなんでしょ?
00:15:30
僕は お父さんに捨てられたって
言ってた
00:15:34
あっ…
00:15:38
捨てられたんじゃない
00:15:41
じゃあ 僕 父さんのとこに行くよ!
00:15:44
今はダメ!
00:15:45
いつなら いいの?
00:15:48
大きくなったら…
00:15:50
あなたが大人になっても
会いたかったら
00:15:53
ただし 何にも欲しがっちゃダメ
00:15:56
冷たくされても恨んじゃダメ
00:15:58
何で?
00:16:02
(マルゴットのすすり泣き)
00:16:03
母さんは 恨んでないから
00:16:15
(マルゴット)
これ 持っていきなさい
00:16:17
父さんが 生まれてくるあなたに
くれたものよ
00:16:24
(足音)
00:16:26
(ロッテ)カール 分かったわ!
00:16:28
木曜日の青年の正体が分かったわ!
00:16:31
えっ?
00:16:33
(ロッテ)
名前はエドムント・エドムントファーレン
00:16:36
文学部の学生よ
間違いなくシューバルトのところで
00:16:40
本を読むアルバイトをしてる
木曜日担当のね
00:16:44
エドムント・エドムントファーレン
00:16:45
(ベルの音)
00:16:47
ここだわ この教室
ちょうど講義が終わったとこよ
00:16:54
ねえ! エドムント・エドムントファーレンに
会いたいんだけど
00:16:58
(学生)ん? ああ
00:17:01
エドムント! いるか?
00:17:03
(学生)エドムント?
00:17:04
(コンスタンティン)
あいつなら今日は来てないぜ
00:17:07
(学生)…だって
00:17:08
(ロッテ)そう…
00:17:14
(ロッテ)残念だったわね
あっ でも 時間の問題よ
00:17:18
あの詐欺師の首根っこ
つかまえてやるわ
00:17:21
シューバルトの ばく大な財産を
受け継ぐのは あなたなんだから
00:17:25
そんなんじゃないんだ
00:17:27
え?
00:17:28
財産なんか どうでもいいんだ
00:17:30
(ロッテ)でも…
00:17:32
シューバルトの金なんか
いくらでも搾り取られればいい
00:17:35
ただ…
00:17:36
“ただ”?
00:17:38
ただ そのエドムント・エドムントファーレン
という学生が
00:17:42
僕の母の息子と言っているのが
許せないんだ
00:17:50
あ…
00:17:53
(カール)“君の絹の花の裾が
風になびく傍らで”
00:17:58
“私の心に
モノマネ鳥が鳴いていた”
00:18:06
フゥ…
00:18:08
今日は何も
おっしゃらないんですね
00:18:10
シューバルトさん
00:18:11
(シューバルト)ん…
00:18:13
なぜ あれだけ どなり散らされても
辞めない?
00:18:18
(カール)ん…
00:18:19
金がいいからか?
00:18:21
ん… そんなんじゃ!
00:18:26
そんなんじゃ ありません
00:18:30
あなたは 金のことしか
言えないんですか?
00:18:34
(シューバルト)君の言うとおりだ
00:18:37
君 ご両親は?
00:18:39
あ…
00:18:41
僕は 里親に引き取られて…
00:18:44
(シューバルト)そうか
悪いことを聞いた
00:18:48
本当の親に会いたくないかね?
00:18:51
うっ…
00:18:55
実は…
00:18:57
僕は…
00:18:58
どうやら 今度 現れた青年は
本物のようなんだ
00:19:03
えっ?
00:19:04
彼は 金目当てじゃない
00:19:08
彼?
00:19:09
(シューバルト)
いや こっちの話だ
00:19:12
君は もう帰っていい
00:19:19
あっ それとな…
00:19:22
君のラテン語… うまくなったよ
00:19:29
ありがとうございます
00:19:34
(ドアの開閉音)
00:19:40
(ロッテ)どうやら今日も
00:19:42
エドムント・エドムントファーレンは
休みらしいわね
00:19:45
どうせ風邪でもひいて
寝込んでるんだわ まったく
00:19:48
焦らなくても あしたは木曜日
00:19:51
やつはシューバルトの
アルバイトに現れる
00:19:54
(ロッテ)あっ なるほど!
00:19:56
シューバルトの目の前で
化けの皮を剥いでやるってわけね
00:20:00
やっちゃおう
思いっきり やっつけちゃおう!
00:20:06
(ロッテ)現れないわね
もう1時間も過ぎてるのに
00:20:11
風邪ひいてるんだとしたら
寝込みを襲うってのも手ね
00:20:16
ねえ!
00:20:17
こうなったら 彼の下宿に
押しかけてみる?
00:20:20
君 ファーレンの住所まで
調べてあるのか?
00:20:24
ンッフフッ
00:20:25
(足音)
00:20:27
(ロッテ)204 204 204…
00:20:32
ここだわ
00:20:37
さあ
00:20:57
(2人)はっ…
00:21:01
(カール)はっ…
00:21:02
(ロッテ)はっ!
00:21:16
(ロッテ)
大変なことになっちゃったわね
00:21:18
学校中 エドムント・エドムントファーレンの
話題で持ちきりよ
00:21:22
まさか自殺してたなんて
00:21:25
校内新聞にも
遺書の内容が載ってるでしょ?
00:21:29
“これ以上 欺くことはできない”
00:21:33
やっぱり これって…
00:21:35
ああ 息子と偽って
シューバルトに近付いたことで
00:21:39
良心の呵責(かしゃく)に さいなまれたんだ
00:21:42
死ぬほど悩むんだったら
00:21:44
最初から あんなこと
しなきゃいいのに…
00:21:52
(学生)ロッテ
昨日は大変だったね
00:21:55
(ロッテ)あっ… そうなの
00:21:58
一日中 警察の事情聴取に
付き合わされちゃって
00:22:01
(学生)朗読のアルバイトも
今日は お休みだった
00:22:05
シューバルトさん
ひどく落ち込んでいたよ
00:22:07
あっ カール 紹介するわ
こちら 金曜日担当の…
00:22:12
(学生)はじめまして
00:22:14
どうも 経済学部の
カール・カールノイマンです
00:22:22
法学部のヨハン・ヨハンリーベルトです
00:22:28
{\an8}♪~
00:23:33
{\an8}~♪