00:00:04
(ミルヒ)コインロッカーの中で
俺の自我は目覚めた
00:00:09
あの漆黒の闇の中で
00:00:12
(波の音)
00:00:14
(ミルヒ)青…
00:00:17
空の青…
00:00:21
海の青…
00:00:24
そして 青い窓枠
00:00:30
チュニジアに行きたい
00:00:38
(係員)ギュンター・ギュンターミルヒ
00:00:40
88年 バイエルン=バイエルンバスフ銀行
現金輸送車 強奪の容疑で逮捕
00:00:46
バーデンブルク刑務所に服役
00:00:48
91年 同刑務所を脱獄
00:00:51
やすり状に削った くぎで
半年をかけて鉄格子を切断
00:00:56
3日後 身柄確保
クライナー刑務所に再収監
00:01:00
しかし93年
トイレの配水管から逃亡
00:01:04
近くの川で ふん尿まみれの
囚人服が見つかる
00:01:08
マクシミリアン商会 給与配達車
強奪の現行犯で逮捕
00:01:13
97年 インゲボルク刑務所
シャワー室
00:01:17
1年半かけて
スプーンで穴を開け 脱走
00:01:22
(ミルヒ)ここのトイレのにおいは
ひどいねえ
00:01:25
(ミルヒ)配水管に潜り込んだ俺が
言うんだから間違いないぜ
00:01:29
(看守)黙って歩け
(ミルヒ)んっ…
00:01:39
(ミルヒ)
フン 何とも しけた面だな
00:01:42
(看守)前を向け
00:01:43
確か… Dr.(ドクター)テンマとか何とか
00:01:47
(看守)とっとと歩け
00:01:50
あんな夢も希望もない面した
しけたやつとはな…
00:01:56
♪~
00:03:11
~♪
00:03:23
(取調官)もう一度 聞きますが
00:03:25
86年のアイスラー記念病院
院長 ハイネマン氏
00:03:29
オッペンハイム外科部長
Dr.ボイアー毒殺事件に対して⸺
00:03:34
関与を一切 否定するのですね?
00:03:40
フゥ…
00:03:41
取り調べが始まって このかた
ずーっと黙りどおしか
00:03:45
(取調官)んっ!
いいかげんにしろよ!
00:03:49
(取調官)Dr.テンマ
どうするつもりです?
00:03:53
黙秘のままでも送検は間違いないし
00:03:55
裁判でも勝ち目はありませんよ
00:03:58
話しなさい 全て話して
楽になったらどうかね?
00:04:05
(ミルヒのうめき声)
00:04:07
(看守)どうした? 何の騒ぎだ
00:04:10
(看守)
ミルヒが 腹痛で苦しんでます
00:04:13
(うめき声)
00:04:16
(看守)ドクター! Dr.デュラー
00:04:20
Dr.デュラーはどこだ?
00:04:21
(看守)ドクターは今 取調室です
00:04:24
ペーターのやつが
清掃用の洗剤 飲んだらしくて
00:04:28
(ミルヒのうめき声)
00:04:29
これって 吐しゃ物が
引っかかってるんじゃないですか?
00:04:32
何?
00:04:33
ひっ… 息… 息が…
00:04:37
ったく…
こうなったら あいつを呼ぶか
00:04:40
(看守)え?
00:04:42
ドクターだよ
00:04:49
ちょっと 診てやってくれ
00:04:51
(うめき声)
00:04:58
(テンマ)ここは痛む?
(ミルヒ)うおっ おおっ…
00:05:02
(テンマ)ここは?
(ミルヒ)ぐえっ… ううっ
00:05:04
熱いお湯を
それとタオルと着替えも
00:05:08
部屋から出るんだ!
感染の恐れがあるぞ
00:05:10
(看守)うっ うああっ…
00:05:13
(ドアの閉まる音)
(走り去る足音)
00:05:14
(ドアの閉まる音)
(走り去る足音)
00:05:14
{\an8}(ミルヒのうめき声)
00:05:16
{\an8}(ミルヒのうめき声)
00:05:19
なぜ仮病を使う?
00:05:20
(ミルヒ)うっ あがが… あっ
00:05:25
ヘッ… ヘヘッ
もっと優しくしてくれよ
00:05:30
こんなに早く 俺の仮病を
見抜いた医者は初めてだぜ
00:05:36
チッ… 病院送りになりゃ
00:05:39
逃げるチャンスが
増えると思ったのによ
00:05:42
俺の現金輸送車 強奪の手口
知ってるか?
00:05:45
車の前に 俺が病人のふりして
飛び出す
00:05:49
慌てて車から警備のやつらが
出てきたところを
00:05:53
仲間が銃を持って現れる
00:05:56
俺は誰1人 やってねえ
00:05:58
あんたと違ってな
00:06:02
ハァ… どうだい?
あんた 俺と逃げないかい?
00:06:08
あんた しけた面してやがる
00:06:12
こういうところにいると
そういう面になる
00:06:15
俺は こういう狭いところが
大嫌いなんだ
00:06:21
コインロッカーの中で
俺の自我は目覚めた
00:06:25
あの漆黒の闇の中で
00:06:30
おやじと おふくろが
仕事をしてる間⸺
00:06:33
俺は あの中に入れられ
ずーっと帰りを待った
00:06:38
“いつかチュニジアに行こう”
00:06:40
おやじと おふくろは
いつも そう話してた
00:06:44
おやじは言った
00:06:46
“今日の仕事が うまくいったら
チュニジア行きだ”
00:06:52
だけど 3日 待っても
2人は帰ってこなかった
00:06:58
おやじと おふくろは俺を置いて
00:07:02
きっとチュニジアに行ったんだ
00:07:05
俺も行く
こんな狭いところ抜け出して
00:07:11
チュニジアに…
00:07:14
しけた面だ
00:07:18
あんたの顔には希望がない
00:07:21
俺みたいな希望がな
00:07:26
(テンマ)
また次に捕まったら どうする?
00:07:29
また逃げるさ
00:07:32
何度でも 何度でもな
00:07:38
(取調官)さてと… どうせ
今日もまた だんまりですか?
00:07:44
真実を…
00:07:45
(取調官)ん?
00:07:47
(テンマ)こうしている間にも
大変なことが起きる
00:07:51
早く真実を
00:07:53
あなた方は信じない
00:07:56
私の言うことなど信じない
00:07:59
でも私は戦わなければならない
00:08:02
何度でも 何度でも
00:08:05
真実を… 話さなければならない
00:08:11
(裁判長)よって 被告人を
禁錮20年の刑に処する
00:08:16
(ヴァーデマン)
父に有罪判決が下された時
00:08:19
私の生き方が決まった
00:08:22
父は戦後 チェコスロバキア
ズデーテン地方から
00:08:26
ドイツに引き揚げ
00:08:27
49年 小さなラジオ局を開局
00:08:30
しかし 60年代の東西冷戦下
父は⸺
00:08:34
スパイ容疑 および
連邦議会 議員秘書 殺人容疑で逮捕
00:08:39
西ドイツ社会に大きな衝撃を与える
00:08:43
父は無罪を主張したが
禁錮20年の刑を科せられる
00:08:48
母は父の無実を訴え続け 71年 死去
00:08:53
父も72年 牢獄(ろうごく)の中で
無念のうちに息を引き取った
00:09:00
73年 私がギムナジウム時代
父の無実が証明された
00:09:06
私はデュッセルドルフ大学を卒業後
00:09:09
大手として知られる⸺
00:09:10
ホフマン弁護士事務所に
迎え入れられる
00:09:13
最初に担当した事件で
無罪を勝ち取り
00:09:16
被告人の冤罪(えんざい)を証明
00:09:18
その後 担当した事件で
立て続けに冤罪を立証
00:09:22
私 フリッツ・フリッツヴァーデマンは
00:09:25
“スパイの息子”から一躍
法曹界の寵児(ちょうじ)となる
00:09:35
(CDの音楽)
00:09:37
(ヴァーデマン)「虹の彼方(かなた)に」
00:09:39
父の経営するラジオ局の放送は
00:09:42
毎日 この曲で始まり
この曲で終わりました
00:09:45
(バウル)ほう…
00:09:47
(ヴァーデマン)東側にいた
あなた方にとっては
00:09:50
自由主義を象徴するような
曲でしょう
00:09:52
(バウル)ええ
00:09:54
(ヴァーデマン)無実を訴えながら
牢獄で息を引き取った父
00:09:59
その無念を晴らすためにも
00:10:01
私は冤罪の可能性のある
あらゆる事件に取り組んでいきたい
00:10:07
{\an8}もっと詳しく
話してください
00:10:09
{\an8}ドクター テンマの
件について
00:10:16
(ノック)
(ドアの開く音)
00:10:20
(ヴァーデマン)イルザ
どうだった? 産院の診察は
00:10:23
(イルザ)順調よ
00:10:25
いつ生まれても
おかしくないくらいですって
00:10:28
(ヴァーデマン)今 ロビーで
男性と すれ違ったろ?
00:10:31
(イルザ)ええ あの方が例の?
00:10:33
(ヴァーデマン)ああ
00:10:35
アルフレート・アルフレートバウル
00:10:37
Dr.テンマの弁護を
一緒にやらないかとね
00:10:41
(イルザ)Dr.テンマの事件は
先日 お断りしたんじゃないの?
00:10:45
(ヴァーデマン)うん…
00:10:47
その時の依頼主は
ハンス・ハンスゲオルグ・ハンスゲオルグシューバルト
00:10:51
あの大富豪が なぜ
00:10:52
Dr.テンマの弁護を
依頼してきたのか
00:10:55
まったく不明瞭でね
00:10:57
ところが 今回のは
理由が明らかなんだよ
00:11:01
(イルザ)どんな理由なの?
00:11:03
バウル弁護士に
話を持ち込んだ依頼人は
00:11:06
Dr.テンマに命を救われた
患者たちなんだよ
00:11:10
まあ…
00:11:12
Dr.テンマという男
00:11:15
立派な医者だったということだけは
確かなようだ
00:11:19
引き受けてみたら?
00:11:21
もし勝訴すれば 大富豪からは
高額な成功報酬を取れるが
00:11:26
患者たちからじゃ
そうはいかないよ
00:11:29
(イルザ)あなたが
そんな損得で お仕事してたら
00:11:32
今頃 もっと大きな事務所を
構えているわ
00:11:35
(ボタンを押す音)
00:11:40
(CDの音楽)
00:11:43
あら この曲「虹の彼方に」
00:11:51
(ヴァーデマン)止めろ
(イルザ)え?
00:11:56
(ヴァーデマン)止めてくれ
00:11:58
(イルザ)え… ええ
00:12:04
そんなことより 食事に行こう
00:12:07
生まれてくる新しい命のために
君は2人分 食べなきゃ
00:12:12
フッ… ホント
おなかすいたって暴れてる
00:12:18
(ヴァーデマン)奥様 どこの
レストランに いたしましょうか?
00:12:21
(イルザ)そうね
じゃ あそこはどうかしら?
00:12:27
(テンマ)そして彼は
燃え盛る炎の中に消えていった
00:12:32
私がヨハンに会ったのは
それが最後です
00:12:39
もう一度
最初から話しましょうか?
00:12:43
私は何度でも話します
00:12:46
何度でも真実を
00:12:49
あなたで4人目だ
00:12:52
私に接見を申し込んできた弁護士は
00:12:55
しかし これまでの誰もが
00:12:57
“容疑の一部を認めて
刑を軽くしよう”とか
00:13:00
そんな話ばかりだ
00:13:02
そうでしょうな
00:13:04
あなたは まるで
自分が無罪になりたいのではなく
00:13:08
ヨハンという青年の存在を
00:13:10
証明したいだけのように
感じるのですが?
00:13:13
そうです
00:13:16
それじゃあ別に弁護士は要らない
00:13:22
Dr.テンマ
00:13:24
本当の発端は何なんです?
00:13:25
ですから⸺
00:13:27
銃弾で頭部を撃たれた少年が
担ぎ込まれ…
00:13:29
いや
00:13:31
もっと その前に
何かあったんじゃないですか?
00:13:40
トルコ人の女性…
00:13:42
(女性)うちの人 返してよ!
00:13:45
(エヴァ)
人の命は平等じゃないんだもの
00:13:49
人の命は平等だ
00:13:55
(テンマ)分からない…
00:13:57
私が やったことが
正しかったのかどうか…
00:14:01
患者の善悪など分からない
00:14:04
私の罪は…
00:14:06
私の罪は あの少年の命を
助けたことだ
00:14:11
だけど…
00:14:13
だけど…
00:14:15
患者を善悪によって助けるかどうか
選択する権利なんか
00:14:18
医者にあるのか?
00:14:21
平等じゃないんだもの
00:14:23
(テンマ)平等だ
00:14:26
分からない…
今でも判断がつかない
00:14:31
弁護士だって そうですよ
00:14:35
被告人の善悪など分からない
00:14:40
ここに あなたの弁護を
依頼してきた人たちの⸺
00:14:43
名簿があります
00:14:45
ミヒャエル・ミヒャエルホッターさん
ステファン・ンクランプさん
00:14:49
フランツ・フランツキェファーさん
ルドルフ・ルドルフフーバーさん
00:14:52
キェファーさん フーバーさん
元気なんですね
00:14:56
ホルスト・ホルストヘンシェルさん
ハルムート・ハルムートヘスさん
00:14:59
ヘスさんも… そうか
00:15:03
お孫さんと楽しく暮らしているかな
00:15:06
(ドアの開く音)
(警官)時間です
00:15:08
そうか… よかった
00:15:15
(ヴァーデマン)Dr.テンマ
00:15:17
引き受けますよ あなたの弁護
00:15:19
あっ…
00:15:23
弁護士も人の善悪など分からない
00:15:27
弁護する時に やるべきことは
ただ1つ
00:15:31
信じることです
00:15:37
(エヴァ)もう1杯
00:15:39
もう1杯って言ってるのよ
00:15:41
(店員)いや もうお客様…
00:15:43
(エヴァ)いつから 私の注文
断れるような店になったの?
00:15:47
(足音)
00:15:49
(エヴァ)ん…
00:15:56
ちょっと!
00:15:58
あんた 今 笑ったでしょ?
00:16:00
(男性)い… いえ…
00:16:02
笑ったわ! 私を見て笑ったわ
00:16:05
(男性)あ…
00:16:07
(エヴァ)
覚えてるんだからね! あんた
00:16:10
よく うちに来て
ペコペコ頭を下げてたわよね
00:16:14
ノルトライン=ノルトラインヴェスト銀行
副支店長
00:16:19
何て顔?
せっかく戻ってきてあげたのに
00:16:23
エヴァ・ァハイネマンが
00:16:24
ここデュッセルドルフに
戻ってきたのよ
00:16:30
貴重なお話
ありがとうございました
00:16:33
Dr.ライヒワイン
00:16:34
(ライヒワイン)Dr.テンマの
弁護士が決まったと聞いて
00:16:37
ずっと連絡を取っていたんです
00:16:40
(ヴァーデマン)
留守がちで申し訳ない
00:16:42
調査に走り回ってまして
00:16:45
(ライヒワイン)調査?
(ヴァーデマン)ええ
00:16:47
Dr.テンマを支援している
彼の元患者たちにね
00:16:51
彼らは何と?
00:16:54
Dr.テンマは
すばらしい医者のようだ
00:16:56
で 何か重要な証言は?
00:17:00
(ヴァーデマン)ありません
00:17:01
Dr.テンマのアリバイにつながる
証言が出てきたらいいのですが
00:17:05
(ライヒワイン)ん…
00:17:07
とにかく
テンマの無実を晴らすには
00:17:10
ヨハンの存在を証明することなんだ
00:17:13
(ヴァーデマン)Dr.ライヒワイン
(ライヒワイン)は?
00:17:16
Dr.テンマがヨハンという青年を
狙撃しようとした話
00:17:20
その証言は
伏せていただきたいんです
00:17:23
え? あっ いや
00:17:25
あの事件こそが
ヨハンの存在を証明する唯一の…
00:17:29
ヨハンが いようといまいと
テンマは無実なんです
00:17:34
いいですか Dr.ライヒワイン
00:17:37
この国ってやつは ただ
スケープゴートが欲しいだけなんだ
00:17:42
私には もうすぐ子供が生まれます
00:17:45
その子のためにも本当の正義を
00:17:48
罪のない人間に
いわれのない罪を着せて
00:17:51
安易に物事を解決しようとする
裁判官 検事…
00:17:57
正義のない
この国 全てが反省する…
00:18:00
それが重要なんです
00:18:03
Dr.ライヒワイン
00:18:05
あっ ああ…
00:18:07
(ヴァーデマン)私は今
ある人物を捜しているんです
00:18:09
ん?
00:18:11
何か重要なことを
知っているかもしれないんです
00:18:15
彼女は
00:18:16
(ライヒワイン)彼女?
00:18:17
Dr.テンマの元婚約者
エヴァ・ァハイネマンです
00:18:22
(ライヒワイン)は…
00:18:23
どうかしましたか?
Dr.ライヒワイン
00:18:27
(ライヒワイン)いるんだ
(ヴァーデマン)え?
00:18:28
私と一緒に この街に来とるんだ
その女…
00:18:33
あ…
00:18:36
(エヴァ)どいつもこいつも
みんな笑ってる
00:18:41
私を見て笑ってる
フフフッ フフ…
00:18:45
エヴァ 私の話を…
00:18:47
聞いてるわよ!
うるさいわね
00:18:51
(ライヒワイン)
弁護士に会ってくれ
00:18:53
テンマのために
00:18:55
は? ハハハハッ
この前も言ったでしょ
00:18:59
私はね あいつを
銃で撃ち殺そうとしたのよ
00:19:04
(ライヒワイン)
その話を聞かされた時は驚いたよ
00:19:08
だが あんたは撃たなかった
00:19:11
(エヴァ)そうよ 撃たなかった
なぜだか分かる?
00:19:16
死なれちゃ困るからよ!
00:19:19
私の人生を
めちゃくちゃにした あの男に
00:19:22
そう簡単に死なれて
たまるもんですか
00:19:25
刑務所に一生 食らい込ませて
00:19:28
生きてる間 ずっと後悔させるのよ
00:19:31
私を捨てたことを一生ね
00:19:38
フッ ハハハッ ああ… あ~
00:19:43
(エヴァの寝息)
00:19:49
(ライヒワイン)
ハァ… 眠っちまった
00:19:54
(雨音)
00:19:59
(銃声)
00:20:10
(エヴァ)はっ!
ハァ ハァ ハァ ハァ…
00:20:15
どうした? 夢でも見たか?
00:20:19
銃声 3発… 見てない
00:20:23
私… 見てない
00:20:27
金髪の… 男…
00:20:31
(ライヒワイン)んっ
00:20:32
(エヴァ)ハァ…
(ライヒワイン)エヴァ あんた…
00:20:36
(ライヒワイン)
ヨハンを見たのか?
00:20:41
(ヴァーデマン)「虹の彼方に」
00:20:44
自由主義の象徴のような曲… か
00:20:48
(ドアの開く音)
00:20:50
(クリンガー)ヴァーデマンさん
奥様が 陣痛が始まって産院へ
00:20:53
えっ! そうか
00:20:56
クリンガー君 バウル氏に至急
連絡を取ってくれ
00:20:59
(クリンガー)はい!
00:21:00
Dr.テンマとの接見を
申し訳ないが代わってくれと
00:21:05
(バウル)はじめまして
弁護士のバウルです
00:21:08
今日 私が
あなたの接見に伺いました
00:21:12
どうです?
ちゃんと眠れてますか?
00:21:15
(テンマ)はい
(バウル)結構… おっと
00:21:18
(ペンの落下音)
00:21:21
(バウル)
もともと 右利きだったんですが
00:21:23
いつまで経っても
左でペンを握るのには慣れません
00:21:29
右手が動かないんですよ
00:21:33
あっ…
00:21:35
(バウル)覚えてますか?
ちょっと痩せましたけど
00:21:41
いやあ あの火の海の中
00:21:44
よく逃げ延びたものだと
自分でも感心しますよ
00:21:49
(バウル)
あなた 本当に撃つんだもの
00:21:49
{\an8}(心臓の鼓動)
00:21:52
{\an8}(心臓の鼓動)
00:21:58
(ロベルト)うわあー!
00:22:04
(テンマ)あっ…
00:22:07
(バウル)この左手
00:22:09
ペンは不慣れですが
銃の扱いは随分と慣れました
00:22:14
実はね 殺そうと思いましてね
00:22:19
(ロベルト)あなたの元婚約者
エヴァ・ァハイネマンを
00:22:29
{\an8}♪~
00:23:33
{\an8}~♪